第2章 誕生祝い to Nino
もうすぐ俺の誕生日で。
かなり前から翔ちゃんが計画を立ててくれてて。
今年はディズニーシーに行こうねって約束してた。
去年はランドだったから、今年はシーがいいねって。
最近、風間と俺の誕生日が同じってことが発覚して。
年パス持ってるくらいディズニー大好きなことも分かったから、今年は風間も一緒に6人で行くって決まってて。
すごくすごく楽しみにしてたんだけど。
本当に行けるのかな…
俺、誕生日の前に振られちゃったりするんじゃないかな…
今はそんな不安な気持ちの方が大きい。
俺がボーっとそんなことを考えてたら、翔ちゃんと智がコソコソ何か喋ってた。
智のすぐ隣に潤くんがいるから、2人だけの内緒話ってわけじゃないんだろうけど。
俺には何も聞こえない。
何話してるのか知らないけどさ。
なんか2人の距離が近くない?
そんなに顔寄せる必要あるの?
ヒソヒソ喋ってる2人をじっと見てたら、俺の視線に気付いた翔ちゃんが慌てたように口をつぐんだ。
なんでそんな焦った顔するの?
やっぱり何かやましいことがあるの?
「カズ…今の聞いてた?」
「何を?何も聞こえなかったけど?」
恐る恐る確認されるけど、俺は本当に何も聞こえてない。
でもそんな態度取られちゃったら、俺に聞かれたら困る話してたって分かっちゃうよ…
ズキズキと胸が痛む。
でも何にも気付いてないフリするから…
バレバレな嘘にも騙されてあげるから…
だから、まだ翔ちゃんの隣にいさせてくれる?