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キミのとなりで ずっと【気象系BL】

第2章 誕生祝い to Nino



昼休み、2人になったタイミングで智にも同じことを聞いてみた。

「ねぇ、智…」
「なに?」
「昨日翔ちゃんと会ってた?」
「えっ!?」

そうしたら、それまで穏やかに笑っていたのに、その笑顔が凍りついて。

その反応に、俺の心も冷えていく。

「昨日の夕方、駅前で智と翔ちゃんに似た人見たんだよね」
「ミマチガイじゃない?翔くんと会ってなんかイナイヨ…」

智も嘘つくの下手だよね…

嘘つくと鼻が動くんだもん。

そんなクセなくても、挙動不審になるからバレバレだけど。

今だってなんか変なカタコトになってるし、動きもカクカクしてるし。

「そっか、見間違いか…」
「ソウソウ!ミマチガイ、ミマチガイ!」

騙されたフリをすれば、智も安心した顔をした。

翔ちゃんと全く同じ。
下手な騙されたフリに騙されてる。


智にも嘘をつかれて。
なんとなく予想してたけど、やっぱり悲しい。

翔ちゃんと智。
俺の大好きな人たちが揃って嘘をつく。

俺に何かを隠してる。

どうせ嘘をつくならもっと上手についてくれればいいのに。

俺が何も気付かないくらい上手に。

そしたら信じるのに…

こんなバレバレな嘘じゃ騙されることも出来ないよ。


悲しくて、虚しくて。
何だか笑えてきた。

すごく乾いた笑いだったけど。

それでも俺が笑ったから、それで智はますます安心したみたいで。

俺は笑った分だけもっと虚しくなった。

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