第7章 誕生祝い to Masaki
そのままレジに向かった風ぽんを待つ間、1人店内を見て回ってたら。
ふと小さなバスケットボールのキーホルダーが目に入った。
小さいのに意外と良く出来てて。
「可愛いじゃん」
せっかくだから風ぽんとおそろいで買っちゃおうかな。
誕生日プレゼントのお礼に…いや、ダメか。
風ぽんの誕生日プレゼントのお礼にって言われてるのに、更にそのお礼にしちゃったら、いつまでもループしちゃう。
でも、これ欲しいなー!
どうせなら風ぽんとおそろいにしたいなー!
うーん…とちょっと悩んで。
店内に飾られてたクリスマスツリーを見て思い出した。
そうだよ!クリスマスじゃん!
クリスマスプレゼントってことにすればいいんだ!
堂々と渡せる口実を見つけたら嬉しくなって。
ウキウキしながら風ぽんとは違うレジに向かった。
ササッと会計を済ませて素知らぬ顔でまた店内を見てたけど、風ぽんはなかなか戻って来ない。
レジ混んでるのかな?
俺の行った方は空いてたけどな。
1人だと何を見てもつまんない。
風ぽん早く帰ってこないかな…
待ってることに飽きちゃって。
もう迎えに行こうとレジに向かおうとしたら、風ぽんがパタパタ走って戻ってきた。
「ごめん!お待たせ!」
「ううん、大丈夫。でも時間掛かったね、そんなにレジ混んでたの?」
「いや…レジは混んでなかったよ…」
何となく歯切れの悪い風ぽん。
なんだろ?って思ったけど、風ぽんの持ってる袋が靴下1足にしては大きいことに気付いた。
自分のものも何か買ったのかな?
それとも…
「渡したいからお店出よ」
俺の視線に気付いた風ぽんは、ちょっと照れくさそうに笑って俺の袖の軽く引っ張った。