第6章 誕生祝い to Satoshi
智の誕生日祝いは結局みんなでカラオケに行くことになった。
ひと騒動あった日から、翔も智も何とか通常モードに戻ろうと頑張っていて。
でも、スイッチの切り替えみたいに簡単に気持ちが切り替わるわけではないから、なかなか苦戦している。
誕生日祝いも、やっぱりいきなり遊園地や水族館とかは智的に無理だったみたいで。
にこやかに行きたい場所を決めろと迫るニノに対して
「俺、ニノの歌が聞きたい!プレゼントに俺のためだけに歌ってほしい!」
悩んで悩んで悩んで出した答えがこれだった。
ニノは2人の努力はちゃんと分かっていて。
過剰な過保護が発動すると分かりやすく不機嫌な顔を作って、2人がすぐ気付くようにニノなりのサポートをしていたりする。
カラオケも意外とすんなりと受け入れて
「いいよ♡ハッピーバースデーも歌ってあげるね♡」
なんて可愛い笑顔を見せていた。
ま、“雅紀の誕生日は水族館だからね!”と、しっかり念押しもしてたけど。
智の誕生日直前の土曜日に、持ち込みOKのカラオケルームにケーキやら俺とニノとで手分けして作った食事やら大量の飲み物やらを持ち込んで。
食べて飲んで歌って踊って。
大騒ぎしながら、みんなで笑って。
智はずっと楽しそうで嬉しそうで。
なんだかんだあったけど、良い誕生日会になったと思う。