第6章 誕生祝い to Satoshi
「聞いて、ニノ…俺たちまだ心配なんだよ…」
「俺のケガはもう完治してるもん!もう普通に何でも出来るの!」
「カズ…でもまた何があるか分からないし…」
「翔ちゃんも智も、あれダメこれダメって!ダメしか言わない!もうやだっ!!」
2人もさすがにニノの機嫌の悪さに気付いて慌てて宥めようとしたけど。
そんな2人に対してニノがキレた。
「またって何?起こるかわからないことのために俺はこの先もずっと自由に動いちゃダメなの?」
突然キレられた翔と智は動揺してオロオロしている。
こんな怒るニノ初めて見た。
いやぁ、やっぱり相当ストレス溜まってたんだろうな。
あんな血まみれの状態のニノを見てしまっているから、翔たちが心配する気持ちは分かるんだ。
怪我の直後は、俺もニノに、2人のために少しおとなしくしててやれって言ってしまったくらいだし。
でも2人の心配の度合いは、見てるだけの俺でもさすがに行き過ぎじゃないかって言いたくなるくらいで。
だいぶ前に抜糸も済んで、その後かさぶたも取れて。
もう完治してるのに、未だにあれこれニノの行動を制限してる。
それでも、ニノは不満そうな顔をしながらも言うことを聞いてた。
2人に心配かけてしまった罪滅ぼしの気持ちもあったのかもしれない。
でもここまでだな…
そりゃいい加減キレたくもなるよなぁ。
むしろ今までよくガマンしてたと思うよ。