第2章 誕生祝い to Nino
「本当に?無理しちゃダメだよ?」
まっすぐ俺を見つめる瞳が、俺のこと大切だよって言ってくれてるみたいで。
やっぱり俺の気にしすぎかなって。
不安になることなんて何もないんじゃないかなって。
そう思えた。
翔ちゃんの腕の中からじっと見上げてみれば、優しい顔でどうしたの?って聞いてくれるから。
勇気を出すことにした。
だって、やっぱりはっきりさせたい。
このモヤモヤをなくしたい。
「ねぇ、翔ちゃん…あのね、昨日の夕方…駅にいた?」
「ええっ…駅?どこの?」
小さな声になっちゃったけど思いきって聞いてみたら、翔ちゃんの顔があからさまに強張った。
その反応に胸がドキドキしてくる。
「そこのだけど…」
「な、なんで?カズいたの?」
翔ちゃんが明らかに動揺してる。
なんでそんな顔するの?
なんでそんなに焦ってるの?
俺がいちゃダメなの?
俺は見ちゃいけないものを見たの?
「姉ちゃんに買い物たのまれて駅前のスーパーに行ったの。その時翔ちゃんと智を見た気がしたんだけど…やっぱりそうだった?」
「ち、ちがうっ!全然行ってないよ!智くんとも会ってない!全然会ってない!」
じっと翔ちゃんを見つめたら、その目が泳ぎまくって。
「ほ、ほらっ、言ったじゃん!昨日は家の用事があってさっ…だから…全然っ…」
必死に否定してるけど、ものすごい不自然で。
絶対嘘じゃん…