第2章 誕生祝い to Nino
よく眠れずに迎えた朝。
ノロノロ支度してたらいつもより家を出るのが遅くなっちゃったのに、待ち合わせ場所に向かう足は重くて、速く歩けない。
翔ちゃんに会うのが少しこわい…
でも逃げるわけにはいかない。
自分で決めたんだから、ちゃんと聞かなくちゃ。
どんなにゆっくり歩いたって公園は近くて。
すぐに、今日も先にいつもの場所で待っててくれた翔ちゃんの姿が見えた。
ドキッとして足が止まりそうになる。
でも何だか翔ちゃんも不安そうな顔をしていて。
「カズっ!」
俺に見つけるなり、すっ飛んできてくれた。
「カズ…来てくれて良かった…」
挨拶より先に翔ちゃんの腕に優しく包まれる。
会うのが怖かったのに、抱き締められればやっぱり嬉しくて安心した。
「翔ちゃん…?」
「昨日返事がなかったし…今朝もなかなか来ないから…心配してたんだ…」
翔ちゃんはちょっと泣きそうな顔をしていて、本当に心配してくれてたのが分かって。
急に自分のことしか考えてなかったことが恥ずかしくなった。
俺、何やってるんだろう…
「……ごめんなさい」
「謝ることじゃないよ。でも、どうしたの?何かあった?」
翔ちゃんが俯く俺の頰に手を添えながら、心配そうに顔を覗き込んでくる。
「顔色が良くないよ…体調悪い?」
俺はただ首を横に振るしか出来なくて。
それでも翔ちゃんはいつも通り優しい。