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キミのとなりで ずっと【気象系BL】

第5章 恋敵



意気込んでドアを開けたけど、出鼻を挫いたのは菊池じゃなくて上田だった。

「お疲れさまです!アニキ!姐さん!」

満面の笑みを浮かべて迎えてくれた上田。

「ああ、お疲れ」
「………………」

翔ちゃんは何にも気にしてない感じでサラッと流したけど。

いや、今絶対変なこと言ったよね?
姐さんってなに??誰??

上田はキラキラした目で俺をじっと見てる。

まるで返事を求めてるみたいに………え?

「……えっ!?もしかして俺のことなの?!」
「もちろんっす!他にいませんよ!」
「なに姐さんって!?」
「だってアニキの大切な人っすから!姐さんですよ!」

びっくりして思わず叫んでしまったら、上田は胸を張って答えた。

「昨日の夜、呼び方を間違えてたことに気付いたんですよ!今まですみませんでした!」
「いやいやいや!姐さんのが間違ってるし!」

上田は本当に悪いことをした…みたいな顔で頭を下げてくるけど、本気で意味がわかんない。

「姐さん!」

そんな嬉しそうに呼ばれても困る!

「やめてよ!俺男だし!姐さん禁止!!」
「えぇっ!それじゃなんてお呼びすればいいんですか?」

力いっぱい拒否したら、上田は困ったように首を傾げるけど。

困ってるのはこっちだっつーの!!

「今まで通り、普通に先輩でいいじゃん!」
「気付いてしまったからにはそういう訳にはいきません!」
「なんでだよ!」

ムダに頑固。
なんなの、もう!!

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