第4章 生徒会
「カズは人前には絶対出しませんからね!」
「それじゃ二宮先輩は副会長にはならないんですか?」
「もったいない…」
「それは櫻井のやり方次第だろう」
わーわー騒がしい生徒会メンバーたちを眺めながら、一件落着したことを感じてホッと息を吐いた。
落ち着くところに落ち着いたというか。
みんな明るい顔をしていて。
まぁ、良かった。
たぶんニノは生徒会なんて全然興味がなくて。
こんな状況にならなかったら、入るとか入らないとか考えもしなかったはずで。
実際、最初はやんわり断わろうとしてたのに…
「愛だよなぁ…」
「何が?」
思わずボソリと呟いたら、隣に移動してきた智が不思議そうに首を傾げた。
「いや、ニノが生徒会入るってさ…」
「ああ…ね」
最後まで言わなくても智には伝わったらしい。
「翔くん絡みじゃなかったら、絶対めんどくさいからイヤって即答だったと思うよ。だから…やっぱり愛だよね」
翔の腕の中で幸せそうにニコニコしてるニノを優しく見つめて、智もふふっと笑った。
「松本先輩、大野先輩、本当に申し訳ありませんでした」
智との会話が途切れたタイミングで、カメが遠慮がちに近付いてきて改めて頭を下げた。
「お前も巻き込まれただけだろ?もう気にすんな」
「はい…すみません。ありがとうございます」
ポンとその肩を叩いたら、カメはもう一度ビシッと頭を下げてから安心したように笑顔を見せた。