第2章 誕生祝い to Nino
「うぅ、重いよぅ…」
駅前のスーパーで買い物したのはいいんだけど。
姉ちゃんに渡された買い物メモには、醤油以外にもたくさん書かれてて。
全部買ったら、めちゃくちゃ重たいんだけど!!
「姉ちゃんのばか…」
悪態をつきながら、重たい袋を抱えてヨロヨロ歩く。
日曜日の夕方だからなのか、なんなのか。
駅前はなんだか人が多くて。
人の隙間を縫って歩いていたら、人混みの中に大好きな顔を見つけた気がした。
「え?!翔ちゃん?!」
翔ちゃんが今こんな所にいるはずないんだけど、俺が翔ちゃんを見間違えるわけがないとも思う。
翔ちゃんがいるかもしれないのに、このまま帰るなんて出来なくて。
足を止めて、キョロキョロ周りを見回しながらもう一度探してみたら
…いた!
やっぱり翔ちゃんだ!
今度ははっきり見つけた。
ちょっと距離はあるけど、絶対見間違いじゃない。
今日は会えないはずだったから偶然会えたことが嬉しくて、一気にテンションが上がっていく。
用事は?とか、なんでここにいるの?とか。
疑問もたくさんあるけど、ひとまず置いておく。
すぐに翔ちゃんの元へ駆け寄ろうとして…
でも翔ちゃんが1人ではないことに気付いて、また足が止まってしまった。
「…智?」
翔ちゃんの隣でニコニコしてるのは、どう見ても智で。
「なんで?」
なんで翔ちゃんと智が2人でこんなところにいるの?