第2章 誕生祝い to Nino
「あら、カズ。今日も出掛けなかったの?デートは?」
日曜日の夕方、リビングでダラダラしてたら姉ちゃんから何気ない一言が飛んできて。
ぐさりと胸に刺さった。
姉ちゃんはずっと俺のこと応援してくれてたから、翔ちゃんとお付き合いすることになってすぐに報告した。
姉ちゃんは本当に良かったねって自分のことみたいに喜んでくれて。
その後も今までと変わらず見守ってくれてる。
だから、この発言も悪気は全くないんだ。
翔ちゃんと会えない俺にほかに用事なんてないから、最近は休みの日にずっと家にいるし。
昨日も今日も家でダラダラしてたから、単純な疑問なんだと思う。
でも今の俺にはキツイ…
むすっと黙り込んでたら、何かを察したらしい姉ちゃんにそれ以上突っ込まれることはなかった。
その代わりってわけじゃないんだろうけど、一枚のメモを渡される。
「ヒマなら買い物行ってきて?」
「えー…」
「昨日からゴロゴロしてばっかで不健康よ!お醤油なくなっちゃったからお願いね」
にっこり笑ってるけど、やだって言わせない空気。
「姉ちゃんが行けばいいじゃん」
「じゃあカズが夕飯作ってくれる?」
ちょっと悪あがきしてみたけど、あっさり切り返されちゃった。
「……いってきます」
「ふふ、よろしくね」
姉ちゃんには敵わないから、諦めておとなしく家を出た。