第2章 誕生祝い to Nino
会えない理由はいつも一緒。
“家の用事”
具体的なことは何も教えてもらえない。
最初は信じてたけど、そんなに毎週ある家の用事って何?
ほんのちょっとの時間も作れないくらいの用事なの?
そんなこと今まで一度もなかったのに?
… 会えなくてさみしいって思うのは俺だけ?
喉元まで出かかった言葉は無理やり飲み込んだ。
こんなワガママ言えないよ…
翔ちゃんに嫌われたくないもん…
申し訳なさそうな顔をしてる翔ちゃんに、頑張って作った笑顔を向ける。
「………うん、わかった。おうちの用事じゃ仕方ないもんね」
「本当にごめんね」
「気にしないで…」
ねぇ、翔ちゃん…
俺うまく笑えてる?
翔ちゃんがホッとした顔してるから大丈夫なのかな。
笑顔を作ってても、心の中は不安でいっぱいだよ。
もしかして、翔ちゃんは学校以外でまで俺と会いたくない?
俺といることに飽きてきてるとか…?
そんなことないよね?
本当にお家の用事があるんだって。
翔ちゃんを信じていいんだよね?
翔ちゃんと恋人になれただけでも夢みたいなことなのに、俺どんどん欲張りになっちゃってる。
ちょっと会えないくらいで不安になる俺がおかしいんだよ。
こんなに幸せなんだから。
もっとを求めちゃダメだ。