第1章 コニャック
それから一刻。
「おい、ちゃんと歩けっつってんだろーが」
「真っ直ぐ歩いてるわよ!」
とは言うものの足元がフラフラのエリナに肩を貸しながら二人は夜道を歩いていた。
ロー自身も途中の厄介な事のせいでいつもより酒が深い。
しかし隣のやつはすっかり出来上がっていて。
「んー…ロー…」
「あ。」
その呼び止める声は小さくか弱くて。
「あんた本当モテ男だね」
「気付くの遅せぇよ」
エリナを見るが俯いてその顔色は分からない。
「店中の女の子達があんたの事見てたのわかんなかった?」
「………知らねぇな」
全く気づかなかった。
当たり前だ。
こんな事言えるのは、酒のせいにして。
少しコニャックを飲み過ぎたんだ。
「お前しか見てねぇからな」
「…バカじゃないの、…敵襲に合え」
アルコールの作用で顔が赤くて助かったとエリナは感謝した。
「船に戻ったらまだまだ飲むわよ」
「言っとけ、絶対寝るだろ」
END
*****
酔い過ぎローさんの事件を書いてみました☆←