第3章 an aphrodisiac Valentine.
「はぁ、はぁ…」
二人は体を密着させソファへ身を委ねる。
エリナは胸に感じるローの鼓動の早さに驚いていた。
「…ロー…?」
心配そうな表情で問うエリナ。
その瞳にはまだ涙が溜まっていた。
「てめぇ…やりやがったな…」
「へ?」
ローの頬は紅葉していて瞳は赤く潤んでいた。
「媚薬…盛っただろ」
「媚薬⁉」
エリナは意味がわからなかった。
「ちょ、ちょっと待ってよ何それ⁉」
「…とぼけるな、あの菓子に…ハァ、含ませただろう」
ふと脳裏に過る彼女の言葉。
大切な人と一つずつ食べて下さいねーー
あの子清楚な趣きして、何しとんじゃー⁉⁉
「いやっ…ちょっと待って、これには訳が…!」
「うるせぇ…落とし前は付けてもらうぞ…」
繋がったままの下半身から感じる再び主張をし出したローのそれ。
それが何を意味しているのかエリナは考えなくとも予想出来て。
「…っ⁉」
「…参ったな…こりゃ何回ヤったら収まるんだか…、覚悟しろよ?」
翌朝、エリナはローの気が済むまで喘がされすっかり寝不足だった。
「はっ⁉そういえばチョコレート…⁉」
食堂に置いたままのそれを思い出しエリナは顔が青ざめる。
「くく…俺知らねぇ」
背中でその声を受け止め重い体に鞭を打って食堂へ急ぐ。
だが、時既に遅かった。
「あっ!ベポ!それ食べていいのか⁉キャプテンのじゃねぇの?」
「え?そうなの?」
「俺も狙ってたのに〜…最後の一粒」
「えへへ、美味しい〜♪ あ、エリナー!チョコレートありがとう!」
「あ、あはは、いーえ…」
END