第4章 懐かしい味と、優しい味
あれ?でも大太刀なら攻撃範囲も広いって言うけど、それなら他の刀剣男士にも該当する人がいるのでは?
『長谷部さん、戦場では大太刀と薙刀とは戦い方はどれくらいの違いがありますか?距離戦だと当然、薙刀や槍の方が有利にも思えるんですけど、そうではなく大太刀を選ぶ事を勧める理由はなんでしょうか』
私が言うと長谷部さんは、確かに範囲だけを見ればそれも有りだと言いながら、今回の行先の地図を広げて私に見せてくれた。
長「薙刀や槍でも範囲を広く見れば、一見それも選択肢に入りましょう。ですが、今回の行先は追い込みをかけるような戦い方になれば薙刀や槍を用いての攻守はあまり向いていないかとも思われます。この辺りは鬱蒼と木々が伸びていたりする場所なので、狭い場所での戦い方に弱くなる大太刀はひとりだけという選択をお勧めします。もし、それでも大太刀はと思うのであれば、太刀から人選するのも良いでしょう」
『分かりました、ありがとうございます。こんのすけ、今から長谷部さんと話し合う必要があるから私の代わりにみんなを広間に集めておいて?』
「かしこまりました」
そこまで説明されると、経験のない私より長谷部さんの意見を尊重するのが最善で、私は名簿を広げ長谷部さんと人選を始めることにした。
『長谷部さん。まず、隊長と打刀のひとりは長谷部さんにお願いしたいと思います。そしてもう1人の打刀は和泉守さんに』
攻守のバランスを考え、自分で選んだメンバーを伝えると長谷部さんは大きく頷いてくれた。
長「お引き受け致しましょう。和泉守がいるとなれば、脇差しは堀川が良いでしょう。あのふたりは遠い昔から一緒に行動することが多かったので、阿吽の呼吸で連携を取れますから。では、短刀は誰に?」
『そうですね・・・短刀は・・・』