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〖 刀剣乱舞 〗 ~ 風に吹かれて~

第3章 最初のお仕事


翌日、朝食の後に長谷部さんが今回の演練から参加するという旨をみんなに伝え、その日まで各自で鍛錬を怠ることのないようにとも付け加えた。

私は私でいつものように教えを説いて貰いながらも、その長谷部さんだって本当は鍛錬もしたいだろうと学びの時間を半分に減らし、削った半分をこんのすけから直々に教えて貰うことにした。

「・・・と、以上が政府から依頼があった場合に出陣させるための部隊分けの仕方でこざいます。宜しいですか?」

『うん・・・実際にそうなってみないとって所はあるけど、バランスって大事だよね。いまこの本丸にいる皆さんの実力かどれだけかとか、そういうのは分からないけど・・・あ、その為の演練って事なんだね?!』

もしもの時に備えての、出稽古のような?

私もおじいちゃんから備えあれば憂いなし的な事を言われて、馴染みの道場に連れて行かれてはコテンパンにされてたっけ。

そりゃもう、体中痛いわ、痣だらけになるわ・・・

「しかしながら主は今回の演練参加が初めてで御座いまする故、当日の部隊分けの参考までに道場で鍛錬をしている者達を見学されるのも良いかと」

道場・・・そっか!

長谷部さんにいろいろ案内をして貰った時に道場も見に行ったんだった。

その時は誰も稽古なんてしてなくて、お掃除しているトコに顔を出した感じだったけど。

『こんのすけ、今日の分ってもう終わり?そしたら私、道場に見学しに行きたいんだけど!』

善は急げって訳じゃないけど、見れるなら1人でも多くの人を見ておきたい。

「それでは長谷部を呼んで参りますので暫くお待ちを」

『大丈夫!こんのすけがいるから長谷部さんにも稽古の時間にして貰ってるけど、呼びに行く位ならこんのすけが一緒にいてくれたら、長谷部さんだって納得してくれるでしょ?・・・って、なんでそんな面倒な顔?!』

言いながら見れば、こんのすけは大きな尻尾を微妙に揺らしながら、あー・・・とか、うー・・・とか言って考え込んでいる。

『・・・分かった。燭台切さんに今夜の分の油揚げ、1枚増やして貰えるようにするから』

「では、早速参りましょう」

・・・ゲンキンなキツネ様だ。

さっきとは違い機嫌よく尻尾を揺らすこんのすけと一緒に、私は足早に道場へと向かった。



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