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拾った恋は、18禁

第1章 はじまりの夜



カーテンから覗く朝日の、なんて清々しいこと。
こんなに目覚めの悪い朝は、久しぶりだわ。



「…………はぁ」





隣であどけない寝顔で寝ている男の顔を見ながら。
酷い頭痛のする頭を、掌で抱えるしか今できることはないらしい。






やっちゃったよ。
あー、やばい。
この子、21よ?
どうかしてた。
そう、どうかしてたの。



まだ眠っている彼を起こさないように腕の中から抜け出して。
さっさと身支度を整えると。
コーヒー片手に逃げるように自分の部屋を後にした。









「男を、ひろったぁ??」
「しーっ、し、声、おっきい!」
「あんたね、朝方5時に人の携帯ならしといて、『今、玄関の前』って、どこぞのホラーかと思ったよあたし」
「………ごめん」


職場近くのコーヒーショップにて優雅にコーヒータイムを満喫してる現在の時刻はまだ6時。
同じ職場の彼女は、配属場所は違えど入社当時からの友人だ。

「で?」
「え?」
「凪がわざわざあたしのとこにこんな非常識な時間にくるのは、まだなんかあるんでしょ」

ああ、トゲが痛い。
痛い、けど。
この際その痛みは気付かないふりしよう。

「………あんたまさか」

驚きに見開かれた綺麗なおっきなダークグレーから視線を泳がせれば。

「まじかぁ」

ポスン、と。
彼女、柳瀬梨花は、背中をソファーへと、もたれ掛からせる。
盛大なため息のおまけ付きで。

勘の鋭い友人持つと、いいわ。

「何やってんのよ、凪」
「だから、梨花に会いに来たんじゃない」
「あたしだって昨日遅かったのよ、あまーい一時を過ごしてたのよ!少なくとも朝、ホラーで目覚めるなんて昨日は思いもよらないくらいにね」
「だから、ごめんて」
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