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拾った恋は、18禁

第4章 はじまりの音と雨の予感


嘘でしょ。


「間違いなく父親似だね」

「…………」


何が、『内緒』、だよ。
バカ湊っ。


そりゃ、潜り込むのも撮影許可とるのも簡単よね。




「凪、凪が何にこだわってるかはわかるけど、たぶんあの子にはそれ、関係ないと思うよ」
「え」
「何歳になってもさ、好きってだけで突っ走ってもいんだよ。」
「………」
「凪は考えすぎなの。後先のことなんて考えられないくらいに突っ走れるのは、若いからじゃないんじゃないの?」
「………それさ、あたしが湊を好きって前提で話してる?」

「違うの?」

「…………違わない、です」

「なら、問題ないじゃん」


いやいや、むしろ問題だらけ。
問題しかないんじゃないの?








―――――――――ザアァァァっ





「………雨」



窓の外からは、どしゃ降りの雨の音。
雨の粒が窓に当たって、一定のリズムを刻んでいるよう。


「梨花」
「ん?」

「ありがとう、梨花」

「―――――ん」


一瞬、驚いたように綺麗な長い睫毛が揺れて、梨花は美人特有の微笑ってやつをその顔に乗せた。


「いい顔になったじゃん、凪」







次付き合うなら結婚前提。
30前には結婚。
だから絶対、次付き合うなら、大人な人がいい。
あたしだけを見て、あたしだけを愛してくれる人。
同年代なんかじゃなくて、思い切り甘やかしてくれる人。



ずっと、思ってた。




だけどそれは。
『あたしが』好きにならなきゃいけないんだ。
求めてばかりで。
いつもいつも求めてばかりで。




『なーぎ』

『なぎ、好き』



うん。
あたしも。
あたしも湊が、好きだよ。








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