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拾った恋は、18禁

第4章 はじまりの音と雨の予感


「時に峰岸さん」
「何よそれ」
「いやいやいや、さすがにもう馴れ馴れしく呼べないなって。」

「何言ってんの」



それ、ランチおごらされる前に聞きたかったセリフね。



「で、結局彼来たの」
「知らない」
「は?」
「鍵閉めて、10時には寝ちゃったもん」


わかる。
わかるよ。
今梨花がどんな顔してるかなんて痛いくらいに。
わざと泳がせた視線が意味もないくらい、合わせてなくても突き刺さる視線が痛いもの。


チュウチュウ吸い込んだ牛乳、あっとゆーまになくなっちゃいそうだよ。



「………気の毒」
「…………」
「あんないい物件すぐに売り切れちゃうよ?」

物件て。
人扱いくらいしよーよ。
ほめてんだかけなしてんだか。



「さんざん言ってたじゃん、梨花だって」
「あたしは嫌いじゃないよ、あの顔」

顔、強調したよね今。



「あのルックスで気も効くし、尽くす男も嫌いじゃないんだよねあたし。しかもお金持ってりゃ言うことないじゃん」
「持ってないよ湊」

どこ情報だ?
まぁ、稼いではいるよね確かに。
あたしよりは持ってるんだろーけどさ。


「峰岸さん」
「だから、何なのよそれ」
「うちの社長の名前知ってる?」
「知ってる」
「言ってみて」

片手に携帯いじりながら、ついでにもう片方は頬杖ついて。
いいなぁ。
美人は何やっても綺麗に見えるのね。

「朝比奈 賢一」
「うん」
「………いやいや、湊?朝比奈なんてそこら中いるじゃん」
「ほいこれ」

片手間に見せられたのは先ほどさんざんピ、ピ、やってた携帯で。

「…………」
「誰に似てる?」


嘘。

「…………湊」

「同じDNAの成せる技だよねこれ」



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