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拾った恋は、18禁

第4章 はじまりの音と雨の予感


「え?」



「だから、ごめん!」



じめじめとした雨が続いた合間に出来た爽快な洗濯日和。
気分もからっとしそうなそんな時。



「彼女のお腹の子供の父親は俺じゃなかった」

なんて。
すっかり忘れていたどうでもいい事実を今、聞かされている。

「ごめん、凪、やっぱり俺、凪が必要なんだよ」
「……………」
「な?やり直せるよな?俺たちの5年間はそう簡単にはなくならないだろ?」


人の気持ち、って、不思議なもので。
あたしなんでこんな人に5年間もしがみついてたんだろう。
あんなに大好きだと思って、結婚までも考えた目の前の男。
今はこんなにも、冷静に彼を見れる。

「あたし、あなたといても楽しくなかった」
「凪?」
「あたし、楽しい時は思い切り笑えるみたい」

『凪が楽しいのかわからなかった』のは、あたしたぶん、楽しくなかったんだと思う。

「あなたじゃあたしを笑わせられないでしょ?」

心から。
泣いたり笑ったり。
がむしゃらに恋をしたり。

「5年間も一緒にいたのに、気付けなかった」


たった2週間の方がずっとずっと価値があるって。



「なんで?凪お前今、若い男と付き合ってんだって?弟とか言ってても絶対嘘だってあいつ言ってた。お前遊ばれてるだけだって。絶対傷付くだけに決まってるよ」

「いいよ」
「え?」
「あんたといるよりずっといい」


喜怒哀楽のある恋愛のが、カッコ悪くてかっこいい。
傷付いたら、癒せばいい。
転んだら起きればいい。

ひどく会いたくて会いたくて仕方がなかったら。




「………みなと――――――――っ!!」



思い切り息を吸い込んで。
叫べばいい。


「湊―――――っ!!」
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