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拾った恋は、18禁

第4章 はじまりの音と雨の予感






「………え」



「あたしにはさ、湊がテレビなれしてるようにしか見えないね、これ」
「………」
「これ、3日前のやつ。たまたまアップされてたの見つけたのよ」



「…………そう」



今さら。
今さらどう足掻いたってどうなるわけでもないし。
彼はもう、世界が違う。


「それはさ、足掻いたやつだけが言えるんだよ凪。足掻こうともしないではじめから諦めてるやつは言う資格ないよ」


「梨花」


「あんたは今まで湊の何を見てきたの」


「何、を?」
「正体バレてはいさよなら、って、あのワンコがそんな聞き分けいいと思う?」
「ぇ」
「あいつは神経図太いし、年上に対する配慮も遠慮もないけど!!」
「あの、梨花?」

何、悪口ですか?
えっと?

「諦めも絶対悪いと思うのよ」


「……………」





湊。


あたし、湊のこと好き?

な、わけない。
だって8コも下だし。

だいたい湊といたの、2週間だけだし。

たった2週間で湊の何がわかるんだろう。
それだけで好きなんて、言えるの?
でも。
だけど。

たぶんあたし、湊は『必要』なんだ。
あたしには湊が、必要なんだ。


好きとか、そーゆー類いの気持ちかなんてまだよくわかんないけど。
湊といた2週間はあたし、楽しかった。
何をしても楽しかった。
そこに湊がいる、ってだけで。
あたしすごく楽しかった。

楽しかったよ。

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