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拾った恋は、18禁

第3章 いらない、朝


わくわくと瞳をおっきく輝かせていた瞳が。
一瞬にして、かわる。
ついでに。
さっきまであんなにピンと立っていた耳も、千切れんばかりに振っていたしっぽも。
今はもう、ない。



「……………これ、湊だよね」




キャストした画面を見ながら、さらに無表情に瞳を暗くする湊を、伺い見た。


テレビにうつしだされているのは、日本のテレビドラマ。
海外ドラマにしか興味なくて、全然気付かなかった。
だけどテレビの中で、さっそうと白衣を着こなし、オペをしてるのは間違いなく、湊だ。



「………俺じゃないよ、双子なんだ」
「湊」
「ほんとに、俺じゃないんだよ」


ピ、と。
リモコンで、テレビを強制終了する湊の手元に視線をうつす。


「これ、湊でしょ?雰囲気全然違うけど、顔も声も、そっくりじゃない」
「だから、違うんだよ!!」

びくん、て。
はじめて聞く湊の大声に、大袈裟にびくつく体。

「………ごめん」

小さくそう、哀しそうにあたしを見る湊に首を横にふった。


しばらく続く、沈黙。
先に沈黙に根をあげたのは、あたしじゃ、ない。

「………紅、は、双子の弟、なんだ」
「こう?」
「そう。湊→港→コウ、ってわけ。単純だよな、うちの両親」
「…………ほんとに、双子、なの?」
「だからそー言ってんじゃん」
「………ごめん」
「死んだんだ」
「え」
「紅、自殺したの」

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