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拾った恋は、18禁

第2章 真っ昼間のにわか雨


「なぎに買ってもらったんだ」
「へぇ、そう。あんたのママは甘すぎだねほんと」
「ママって」
「今時幼稚園児でもお面なんてしないわ」

いや。
けっこう並んでたよ?
幼稚園児。


「目立つからいい加減取りなよ、それ」
「やーだよー」
「それさ、前見えてんの?」
「うん、ちゃんと目のところ穴あいてんの、ほら」
「………ほんとだ」
「凪、感心するところ違うからそれ」

「ごめんね?勝手に連れてきて」
「いーよ別に。荷物持ちにいいしね」
「梨花さん、俺の扱い酷くない?」
「悔しかったら早く凪の恋人にでも昇格しな。友達以下のやつに使う気なんて持ち合わせてないんだよ」

口悪いなぁ。
もうほんと、苦笑するしかない。
湊の顔は見えないはずなのに。
なぜかな、尖らせてる口が見える気がする。


「湊ー、唐揚げ買ってきて、ビールも」
「今度はパシリかよぉ?」
「凪の役に立つんでしょ、ほら早く買ってきて」
「梨花、すでに酔ってない?」

ちぇー、とかなんとか。
不機嫌そうに顔を歪めていても、なんだかんだきちんと買いに行こうとする湊も意外と律儀だけどね。

「お面、外さないの?」
「うん、気にいってんのこれ」
「…………」

まぁ、お祭りだし。
なんでもあり?
いやでも、いい大人がお面かぶってんのはやっぱ、違うと思うんだよね。
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