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拾った恋は、18禁

第2章 真っ昼間のにわか雨


「梨花」
「やったー、ケーキだぁ」


玄関先で、梨花から白い箱を奪い取ろうとする湊から。
梨花はさっとケーキを移動させ。

「残念、あんたの分はないの。はじめまして、ワンコちゃん」


にっこりと微笑みながら、その箱をあたしへと渡す。

「俺に会いに来たくせに俺のねーのかよ、ひでぇ」


ぶつくさ言いながら。
それでも先にリビングへと赴き、彼は梨花に美味しい珈琲を入れるのだ。
ついでにあたしと、自分の分までも。




「なんだ、けっこう忠犬じゃないの」
「……梨花」

真顔で言われるとなんか違う気がするんだけど、それ。

「冗談よ。ちゃんとあるわよ?少年の分も」
「え?俺のもあんの?ラッキー」


梨花が言い終わる前に、湊はがさごそと箱を開け。

「はい梨花さん、モンブラン」

梨花に用意されたお皿へと、モンブランを置いていく。
ついでにあたしには、イチゴのショートケーキ。

自分は残ったチョコレートケーキを、手にとりそのまま口の中へと頬張った。


「なんで?」
「ん?」
「なんで梨花にモンブランあげたの?」
「だってなぎ、ショートケーキ好きじゃん」
「だけど、なんでモンブラン?」
「初対面の人にはモンブラン買ってこないもん。だいたい初対面の人にはチョコレートかショートケーキでしょ?」
「…………」
「モンブランも俺、好きだけどさ」

梨花の好きなモンブラン。
迷わず湊、梨花のお皿に乗せた。

「モンブラン買って来るのって、大抵自分が好きだからだよね」 

ペロン、て。
指についたチョコレートを舐めながら、湊。

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