第9章 ○気付いた気持ち
そんな時だった。
ガンガンガンッ!
執務室のドアを激しく打つ音が鳴り、
その直後部屋の外から焦ったような声が聞こえてきた。
「アラン・ベネットです!エルヴィン団長!いらっしゃいますか!?」
アランは今、療養中で
医務室に寝込んでいる筈だが…
名を呼ばれたエルヴィンは急いで立ち上がり、執務室の扉を開ける。
「どうした、そんなに焦って。とりあえず落ち着け。」
「すみません…、でも、ソフィアが…っ!」
「ソフィアがどうした。」
傷だらけの体を引きずってきたのだろう。
ゼェゼェと変な呼吸をしている。
終いにはソファに座っていたリヴァイまで何事かと様子を見に来る始末。
アランは苦しそうに肋を抑えながら
途切れ途切れに言葉を発した。
「ソフィアがっ、花を買いに行ったっきり、戻ってこないんです。」