第9章 ○気付いた気持ち
「殺される巨人に対しても憐れみを抱いている奴だ。誰よりも自分以外の命を大切にしている。」
「自分以外のか…。」
「そう。ソフィアは…、」
自分の命に無頓着過ぎる。
そうリヴァイが伝えると、エルヴィンは頬杖をつきながら小さく溜息をついた。
「そうか、…それは困ったな。」
「まぁ、ソフィアは端的に言って強い。易々と死にはしないだろうが。」
「それでは困るんだよ。」
「何故だ。」
「…信頼している君には話すべきかな。」
エルヴィンが柔らかい笑みを浮かべると、対照的にリヴァイが苦虫を潰したような顔をする。
「…気持ち悪いこと言ってねぇで、さっさと話せ。」
「ハハッ、気持ち悪いとは酷いな。
…どうやら私は個人的に彼女に生きてほしいと願っているようだ。」
「回りくどいな…。もっと簡単に話せ。」
「私はソフィアを愛しているかもしれないということだよ。」
エルヴィンの返答に、リヴァイはその鋭い三白眼を見開いた。