• テキストサイズ

【進撃の巨人】黄金の翼

第2章 繰り返された惨劇





「おばさん…?」


息を切らしたソフィアが目にしたのは、壁の破片によって右半身を失ったフレアの姿だった。


「…いやっ、いやだっ、そんな、おばさん!どうか目を覚まして…っ!」


どんなに声を張り上げてもフレアはもう動かない。

今朝は温かいパンとスープを作ってくれた。少し外に出たくなって、アランを連れて家から出た。


"いってらっしゃい、気をつけてね。"

"はーい!"


これが最後の別れになるなんて思いたくもなかった。



「神様ぁ、おばさんを助けてっ…、お願い…!神様ぁぁあ!!!」



普段あまり感情を露わにしないソフィアから、喉がはち切れそうな叫び声が溢れる。


だが、運命は残酷だ。


ドスドスと音を立てソフィアの元に近づいてきたのは、神などという救世主ではなく、…巨人だった。


「…っああ。」


ソフィアを視界に捉えた巨人はニタリと不気味に口角を上げ、ゆっくりとソフィアに向かって手を伸ばす。


ああ、私は死ぬのか。


ソフィアの体は恐怖に震えていた。

だが、それは自分よりも大きな巨人という存在に対してであって、決して死ぬことに対するものではなかった。




/ 91ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp