第2章 繰り返された惨劇
ドッゴォォォォォ!!!
「……っ!」
鼓膜が破れるような破壊音に思わず耳を塞ぐ。
巨人によってウォール・マリアが破壊された。
そしてその破片は容赦なく民家にぶち当たっていった。
壁に穴を開けられた。
その事実を認識した途端、各々が叫び声を上げて逃げ出す。
「ソフィア、ここにいては危ない、急ごう!」
アランがソフィアの方を振り返り、走り出そうとした時、ソフィアはすでに逆方向に向かって駆け出していた。
「ハロルドおじさん、フレアおばさん…!」
「おい!ソフィア!!」
元々、ソフィアとアランは孤児だった。
薄暗く狭い孤児院の中にいた、二人。
そんな二人を引き取ってくれたのがハロルドとフレアだった。
心優しい二人は、本当の我が子のようにソフィア達を育て、その月日は7年が過ぎようとしていた。
「どうかっ、無事でいてっ…!」