第2章 繰り返された惨劇
「っソフィア、ちょっと離れろ…っ。」
エレンが自分の腕で必死に顔を隠し、少し後ずさった時、けたたましい轟音が壁内に響いた。
ドォォォ!!!
激しい衝撃が地面を揺らし、ソフィア達の体もガクンと揺れた。
「は…!?」
「な、何だ!?地震ってやつか!?」
「ソフィア、大丈夫か?」
「ありがとう、アラン、大丈夫。」
アランは抱きしめていたソフィアの体をそっと離し、エレン達を連れて住民の騒いでいる方へ走った。
建物の陰をすり抜け、壁が見えるところまで辿り着いた時、彼らは信じられない光景を目にした。
ハンネスさん達は嘘をついていたのか?
さっきまでの100年間奴らが姿を現したことなど一度もないと言っていたではないか。
だが現実はどうだ。
現に今、ソフィア達の目の前には50mもある壁に手をかける奴がいるではないか。
"巨人"だ。
その日人類は思い出した、支配されていた恐怖を。
鳥籠の中に囚われていた屈辱を。