第6章 歓迎会
「おい、エルヴィン。そろそろ離してやれ。そいつの顔が爆発しそうだ。」
リヴァイの冷静な声で、エルヴィンは我に返る。
「すまない、乱暴にしてしまった。」
「いえ、気にしないでくださいっ。」
エルヴィンは強く掴んでいた腕を離し、優しく摩る。
ソフィアは、さっきまでの強引さとは違い、優しく自分の腕を労わる指に、また恥ずかしさを覚えた。
「あの、エルヴィン団長。」
「どうした?…やはり痛むか?」
「いえ、そういうわけではなくて、
…は、恥ずかしいです。」
今にも消え入りそうな声でそう告げるソフィアに、エルヴィンは愛しさを覚えた。
「そうか、それは気が付かなくてすまない。」
ソフィアにお願いされた通りに、触れていた手を離す。
その様子を見ていたリヴァイは居心地の悪そうに、顔を歪めエルヴィンに声をかける。
「お前、何の用事があってきた。まさか、この新兵に会いにきたとか言うんじゃねぇんだろうな?」
「あぁ、もちろんそれもあるが、本来はリヴァイ、君に用があったんだ。歓迎会が終わり次第、執務室に来てくれ。」
「了解だ、エルヴィン。」
「それじゃあ、私は行くよ。ソフィア、ゆっくり楽しんでくれ。」
「はいっ!団長もゆっくりなさってください!」
「ハハッ、ありがたく受け取っておくよ。」
エルヴィンはそう言うと、ソフィア達に背を向け食堂を後にした。