第6章 歓迎会
振り向くとそこにはまだ兵服姿のエルヴィンがいた。
「あ、あの、団長。」
「私がその物好きの男だったらどうする?」
ソフィアの顔を覗き込むように、耳元で囁く。
「いやっ、あの、」
「ほら、早く抵抗しなさい。」
少し顔を動かせば触れてしまう距離にエルヴィンの顔がある。
男性との付き合いに免疫のないソフィアの顔は、すぐに真っ赤に染め上がった。
「どうした、返り討ちにするんじゃないのか?」
「だ、ダメですっ。」
「何がダメなんだ。」
潤んだ瞳でエルヴィンを見つめ、弱々しく抵抗する。
「団長相手じゃ、抵抗なんてできません…。」
「…そんな瞳をみせたら、男は勘違いしてしまうぞ。」
エルヴィンの心臓がドクンと音を立てる。
深く吸い込まれそうな紺碧の瞳が、自分を映して揺れている。
エルヴィンは自分の中に微かな劣情が湧き上がるのを感じたが、知らぬふりをしてソフィアを見つめる。
しばらくの間そうしていたが、他のテーブルで呑んでいた兵士達が何事かと騒ぎ始めた。
それを感じ取ったリヴァイがエルヴィンに声をかける。