第6章 歓迎会
ソフィアの視線に耐えきれなくなったのか、アリアナはハーッとため息も漏らす。
「うん、やっぱりそのままでいいよ。」
「本当に?」
「うん、…そのかわり!お酒は絶対飲まないこと!」
「えー!それじゃ楽しめないよ!」
「文句言わない!今日は班ごとに席が分かれてるんだから、私もアランもそばにいないの。誰が酔っ払ったあんたを介抱するのよ。」
「まず酔わないもん。」
これだから無自覚は困る。
ソフィアは弱いくせに、大のお酒好きだ。
今までは酔う度にアランが現れ、ソフィアを狙う輩共から守っていた。
でも、今回はそうはいかない。
「とにかく、今日だけお酒は我慢!分かった?」
「…はーい。」
ソフィアは渋々といった様子で、口を尖らせながら返事する。
アリアナはそんなソフィアの様子に思わず笑みが溢れた。
普段のソフィアはあまり感情が表に出ることはない。
でも、アランの前ではよく笑ったり、呆れた顔を見せたりしている。
それは、やっぱりアランの事を頼りにしているからだろう。
そして、最近はアリアナの前でも色々な表情を見せるようになっていた。
少しずつだけど、私のことも頼りにしてくれているのかな。
アリアナにはそんな小さな変化がとても嬉しかった。
「じゃあ、行こっか。」
「うん。」
ソフィアとアリアナは、すでに賑わい始めている食堂へと向かっていった。