第5章 調査兵団入団式
「いえ、必ずお役に立ってみせます。人類の自由のために私はその礎となります。」
リヴァイは思わず目を見開く。
小柄な自分よりも10cmは小さい彼女が持つこの意志の強さは何だろうか。
深く澄んだ紺碧の瞳。
壁の外にある海というものはこんな色をしているのだろうか。
思わず吸い込まれてしまいそうなその瞳は真っ直ぐと自分を見つめている。
エルヴィン、お前はこの瞳に何を見た?
「フッ、そりゃ結構なことだ。…だが、俺の班に所属したってことは、それだけ死ぬ可能性が高くなるってことだ。それでもお前は俺についてきてくれるか?」
リヴァイにしては珍しく不安そうな声で、ソフィアに問いかける。
すると、ソフィアはリヴァイを包み込むような笑みを浮かべた。
「もちろんです。離れろと言われても、ついていきます。」
思わぬ返答に一瞬目を丸くしたリヴァイだったが、すぐに笑みをこぼす。
「それは、頼りになりそうだ。もう行ってもいいぞ。俺も部屋に戻る。」
「ハッ。」
そう言ってリヴァイは敬礼しているソフィアに背を向ける。
だが、すぐに振り返った。
「おい、ソフィア、最後に一つ。」
「何でしょう?」
「お前の実力を見込んでの配属だ。
…簡単に死ぬなよ。」
「ハッ、リヴァイ兵長の仰せのままに。」
ソフィアは左胸に添えた右手を強く握りしめる。
リヴァイはその反応に満足したように微笑み、自分の部屋に戻っていった。