第5章 調査兵団入団式
「以上が32名の所属班である!今後は各分隊長、及び班長の指示に従うように!解散!!」
全員の配属先の発表が終わり、エルヴィン達が講堂を出て行く。
すると、新兵達は堰を切ったように話し始めた。
その中で静かに壁にもたれたままのリヴァイがいた。
「あの、リヴァイ兵長。」
「…なんだ。」
「特別作戦班所属になりました、ソフィア・デューイです。ご迷惑もおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします。」
「あぁ、よろしく。」
「兵長は行かれないのですか?」
「別に、何やらエルヴィンと親しくしている新兵がいると聞いてな。そいつの顔を見てただけだ。」
エルヴィン団長と親しくしている、か。
そんな強者が自分の同期にいたなんて驚いた。
「それは驚きですね。」
「はぁ?何言ってんだ、お前。」
「何かおかしな事でも言いましたか?」
「…無自覚かよ。」
リヴァイは心底めんどくさそうに溜息をつき、ソフィアを指差す。
「お前だよ、お前。エルヴィンのお気に入りってのは。」
「…へっ、私ですか?」
「あんだけ喋っといて分からねぇとは、お前さてはバカだな。」
「いえ、一応座学では一番の成績でした。」
「お前、そういうとこがバカだっつってんだよ。」
リヴァイに軽く頭を小突かれる。
「いたっ。」
「ハッ、こんくらいでベソかいてたら壁外ではどうなることやら。」
リヴァイは冗談のつもりでそう零したが、ソフィアはリヴァイのその言葉に強い眼差しを向ける。