第4章 出会い
解散の合図が出され、新兵達がトボトボと歩き出す。
その中には、アリアナやレオの姿もあった。
「ソフィア、俺たちも行くか。」
「うん。」
二人並んで進み出そうとした時、
「待て。」
誰かの声に引き止められる。
振り向くと、そこには調査兵団団長のエルヴィンがいた。
「エルヴィン団長…?」
「君がソフィア・デューイかな?」
物腰柔らかな声で問われ、ソフィアは思わず後ずさる。
やっぱり思った通り大きな人だ。
アランも相当大きいが、それよりも大きい。
「そうです…、あの、何か?」
思ったより自分の声が固い。
それがエルヴィンにも伝わったのか、クスリと笑われる。
「そんなに固くならないでくれ。私は個人的に君に興味があるんだ。」
「は、ハッ。」
「噂は私の耳にも入っている、相当の逸材だと。」
「そんなっ、身に余るお言葉です!」
「遠慮しなくていい。また君とは話がしたい。君を調査兵団に迎えることを誇りに思うよ。」
「ありがとうございます…!」
ソフィアはエルヴィンの言葉に素直な嬉しさを感じた。
今までやる事は全て人並み以上にこなしてきた。
それが当たり前になっていて、褒めてくれる者など誰もいなかった。
それは愚か、同期の訓練兵の中には私を化け物と呼ぶ者もいた。
特別気にしたことはなかった。
だが、やはり悲しかった。