第4章 出会い
「彼が、エルヴィン・スミス…。」
ソフィアは思わず目を奪われた。
あまりにも彼が美しかったから。
しっかりと整えられた金髪が印象的で、壇上に立っているからなのかもしれないがとても大きく見える。
その碧眼は訓練兵の顔を一人一人確かめるように動く。
ふと彼の視線がソフィアを捉えた。
「………。」
しばらく二人は見つめ合う。
とても端正な顔に見つめられソフィアの顔はみるみる熱を帯びていった。
エルヴィンはそんなソフィアの様子を見て、小さく口角を上げる。
「今、笑った…。」
街の人から調査兵団団長は冷酷な悪魔だと聞いていた。
そんなの嘘じゃないか。
だって、今しがた彼はあんなに温かく笑った。
「おい、ソフィア。口が開いてる。」
アランに肩を軽く叩かれ、ハッとした。
「ご、ごめん。ボーッとしちゃった。」
ソフィアが顔を上げてもう一度彼を見た頃には、その目はすでに逸らされていた。
「私は調査兵団団長、エルヴィン・スミス。調査兵団の活動方針を王に託された立場にある。」
彼の声もまた温かかく感じられた。