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桜花繚乱!

第2章 普段の日常。/1話完結。


「雪乃と隊服と。」


「雪乃ー、市中見回りの時間ですぜぃ?」
沖田が部屋をノックし、入ってくる。雪乃は
「あー、うん。今行く。」
と返事をして、刀を持って外へと出た。其の姿は普通の、沖田と同じ隊服だった。其れを見て沖田は少し溜息をつき、
「なんで、女物のほうの隊服を着ないんでぃ。」
という。雪乃は、ちらりと部屋のハンガーにかかっている服を見て
「松平のとっつぁんがくれた服はフリルがいっぱい着いてて、正直恥ずかしくて来たく無いから。」
と困ったように頭を抑えた。
すると、其処へ土方もやってきて
「おい、そろそろ行くぞ…って、雪乃。御前隊服は?」
と部屋のほうを見て、察したのか少し不憫そうな顔をし、それ以上は何も言わなかった。

「…やっぱり、上は良いとして下はどうにかしましょうぜぃ。」
と市中見回り中、沖田は雪乃の服を見て納得いかないのか言った。
「御前まだ其の話引きずってんのかよ…」
と土方が呆れたように言うと沖田はにや、と笑いながら

「スカートはきっと嫌がるから却下、として。土方さんは見たくないんですかぃ?せめて、ショーパンとニーソにした雪乃の隊服姿。」

とからかうように耳打ちした。土方は、そのまま顔を真っ赤にして
「ばっ…!確かに似合うが、あいつが履くか?」
と沖田に耳打ちする。すると、沖田は
「俺に妙案がありまさぁ。」
と不適に笑った。

-次の朝。
「…ズボンが大きくて動きにくい。」
雪乃は足下がずるずるのズボンをはいて部屋から出て着た。隊服のズボンを洗濯しようと出したところ山崎が他のものも洗ってしまっていたため他の隊士から借りたのだ。
しかし、思いのほか大きかったのである。
「どーしよー…。」
「雪乃。どうしたィ。」
聴かれていたのか沖田に声を掛けられる。雪乃が経緯を話すと、沖田は
「だったら、此れを履いたら良いんじゃないですかぃ?」
と例の、ショートパンツと、ニーソ。其れとガーターベルト、という組み合わせを手渡した。
「え、此れは…。」
「動きやすいでしょう、此れよりなら。」
とそれだけ言って歩いていってしまった。

仕方なく其れを履いて、其の状態で出て行ったのだから、隊士達の視線が集まるのは当たり前だったのだが。
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