第7章 屯所怪奇事件篇
四.
「!? 何の音だ!?」
「とりあえず、行って見ましょう!」
雪乃と土方は音のしたほうへと急ぐ。
-其処には一人の隊士が倒れていた。
「大丈夫ですか!?」
雪乃が近づいて額に手を当てる。
やはり熱が出ている。
其の隊士は、雪乃に眼を向けた後
「…っ、黒い、女が…っ」
といい、そのまま気を失ってしまった。
「亦黒い女、か…」
ぽつり、と土方が呟く。
其の一言が、静かになった屯所で響いたのだった。
-次の日、土方と沖田、近藤の提案で祓い屋が呼ばれることになった。
「失礼します…と、祓い屋の方々は?」
雪乃が訊ねると
「山崎が呼びに行ってまさぁ。」
と沖田が答えた。
土方は渋い顔をして
「今日も朝から3人も熱を出して倒れた。しかも、今まで熱を出した奴らは一向に熱が下がる気配がねぇ…」
と現状を伝える。
すると、沖田がからかうように
「もしかして、土方さんのマヨネーズの呪いなんじゃないですかぃ?あんな黄色の謎の物体の乗った焼きそばなんて見せられたら、そりゃショックで倒れまさぁ。」
とにやにやと笑いながら言う。
土方は、額に青筋を浮かべて
「おい、1回死ぬか?此処で切腹するか?」
と言った。
「ちょっと、二人とも…喧嘩はやめてください!!」
と雪乃が止めに入るが聞いてくれない。
最終的に、雪乃は二人に対し、
「お兄ちゃん、総くん!喧嘩終わり!!」
と言ってしまった。
そして、偶然にも、発言した瞬間山崎が現れ、祓い屋…もとい万事屋の3人が中へ入ってきて土方と銀時、神楽と沖田が喧嘩になったのは言うまでも無い。