第7章 屯所怪奇事件篇
二.
「良かったですね、まだ残ってて。」
「あぁ、コンビニの奴は夜になると売り切れていることが多いからな。」
ダンボールに入っているマヨネーズを持ちながら、二人は屯所へと入っていく。
そして、其れを土方の部屋へと雪乃は運んでいた。
「結構重いなー…」
そんなことをいいながら部屋へと入る。
「土方さん、此処でいいですか?」
「あぁ、其処に置いておけ。後は部屋に戻ってい…」
土方は、ふいに言葉を止めた。
雪乃も何事かと思い言葉を止める。
すると、微かに声がする。
~死ねよ。~
~頼むから死んでくれよぉ、土方ぁ…。~
「ひっ、…?!」
雪乃が、後ずさりする。
土方は、はぁと溜息をついて、襖を開けた。
勢いよく開けられた襖の外…即ち庭には、
白装束に頭にある3本のろうそく。手には5寸釘と金槌を持った…
-沖田が居た。
「てめぇ、何してんだ総悟。」
「ジョ、ジョギング…。」
其の返答に土方は、表情を一変させて
「んな格好でジョギングなんてもんやったら火だるまになるわあぁぁ!!あれだろ!?俺を呪う儀式を開いていたんだろ!?」
と怒鳴り声を上げる。
それをしれっとした表情で沖田は
「嫌だなぁ、そんなわけ無いじゃないですかぃ。自意識過剰な人だ。」
と流す。
-そんな中、雪乃は別の声を聴いていた。
『オマエラナンテ、ハヤクホロビチャエ。』
という、恐ろしい一言を。
-そして、其の言葉が引き金になったように次の日、怪奇現象が起き始めたのだった…。