第6章 雪合戦篇
「真選組と雪合戦。」 ~中編~
「みんなー、頑張ってー!」
と、雪乃は、縁側から土方たちを応援する。
しかし、其の景品に自分がなっていることは、雪乃は知らない。
「さて…近藤さん、土方共は?」
「さァ…「さァ…って!!何行き成り見失ってるんでぃ!!」ご、御免なさい!!」
もはやどちらが上司か分かりもしない。
そんな時、
「見つけましたよ、沖田さん!!局長!!」
と、山崎がいつの間にか背後に居た。
「なっ、…!?」
その両手には、「アンパン」。
「でかしたぞ、山崎!!そのままやれ!!」
土方が、其の後ろで叫ぶ。
其れと同時に山崎はアンパンを沖田に投げた
-はずだった。
「え、……?」
アンパンは、山崎の方向へと戻ってきていた。
大量の、大きな雪玉とともに。
「えぇ、ちょっ…うわぁああ!!」
雪玉の背後には、まだ硝煙が立ち上るバズーカを持った沖田が真っ黒な笑みで立っていた。
そして、山崎に大量のアンパンと雪が積もる。
「こんなもん、脅威にもなりゃしねぇ。なぁ、近藤さん…」
沖田がバズーカを仕舞い後ろを向く…。
其処には、既に雪玉につぶされた近藤が倒れていた。
「はっ、山崎は囮だ。こっちは先に抑圧させてもらったぜ。」
「土方、てめぇ…」
二人は睨みあう。其の間に、雪乃は近藤と山崎を誘導していた。
そして、二人は雪玉を持ち…
「今此処で死ね、土方あぁァァッ!!」
「テメーが死ね、総悟おぉォォッ!!」
と一斉に投げ始める。
其れを見ている雪乃の横に着替え終わった近藤と山崎がやってくる。
山崎は、手に透明な液体の入ったコップを乗せたお盆を持っていた。
「其れは?」
「一つは水です、雪乃さんの。後二つは俺達の分の酒です。」
と、山崎はコップを置く。
-二人が戦っている間に、もう一つの悲劇は起きていたことは、まだ誰も知らなかった。