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桜花繚乱!

第5章 猫耳騒動篇


「雪乃と猫耳。」 ~後編~

「…そもそも、そんなことが出来ますかぃ?今の雪乃じゃ満足に力も出せないでしょうが。」
「そんなこと…っ、痛たたたっ、」
沖田が雪乃の腕を少し強く握ると、いつもなら底から逃げられるはずなのに、痛みを感じ、逃げることすら出来なかった。
「いつもの10倍以上は力が出ない状態でさァ。今日は一日引っ込んでなせぇ。」
「うぅ~~…、このドS腹黒男ーっ!!」
と、雪乃が幾ら叩いても痛みも感じないのだが。
其の様子を最初は雪乃の表情に驚いていた隊士達だったが、段々(何だ此れ…和む。癒される。)と感じていたのだった。

「と、言うわけで今日は見回りには出れません。一日有給をとってもいいですか?」
「まぁ、構わないが…御前あの表情は出すなっつったろ。」
「つい、かっとなっちゃって…すみません。」
罰が悪そうに言うと土方は
「笑ってたほうが、其の…可愛いからそうしてろ。」
と赤面しながら言った。
「…っはい!!」
と雪乃はいつもの笑顔で返事をした。

「んー、暇だなぁ…気の性かすごく日向が気持ちいいし…」
縁側でボー、と過ごす。
猫になった性なのか、暖かいところがとても心地よく、そのまままどろむ。
其の直後任務を終えた土方が歩いてくる。
そして其の横に座りながら、
「調子はどうだ?」
と訊ねてくる。
雪乃は、眠たそうな顔で
「…絶賛、眠たいです。」
と答えた。
土方は、其の様子を見て雪乃の頭を自分の膝へと乗せた。
「土方さん、?」
「猫になった性で眠いんだろ、夕飯まで寝てろ。」
雪乃は少し戸惑った後、
「で、では遠慮なく。すみません…」
と瞼を閉じた。

-数時間後。
「副長ー、雪乃さん!夕飯の時間…って、こんな所で寝てたんですか。二人とも、可愛い寝顔しちゃって…」
山崎は、縁側で眠る二人を見てクスクス、と笑った。
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