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桜花繚乱!

第5章 猫耳騒動篇


「雪乃と猫耳事件。」 ~前編~

「…何これ。」
雪乃は自分の部屋で鏡を見ながら呟いた。

朝起きて髪を梳かそうと鏡のほうを見た。
其処には見たことの無いものが生えていた。

-其れはネコ耳だった。

「何でこんなものが…って、尻尾まで生えてるうぅぅぅ!?」
腰の辺りがもぞもぞすると思ったら尻尾まで生えていた。
どうしようか、と考えているうちに時間が経ち、朝飯の時間になってしまった。
「…っ、あ``ーーっ!!もうしょうがない!!」
雪乃は腹を括り、隊服を着て部屋を後にした。

「あれ、雪乃さん!?どうしたんですか、其の耳と尻尾!!」
山崎は、食堂に入ってきた雪乃の方へとぱたぱたと走ってくる。
其の言葉と同時に隊士の視線が集中する。
雪乃は、はぁと溜息をついて
「朝起きてたら、生えてた。」
と説明する。
すると後ろから、
「結構効き目が早いんですねぃ、この薬。」
と沖田が手に粉薬を持って立っていた。
其れを見たと同時に、雪乃の中で何かが弾けた。
気付いたときには、沖田に飛び掛っていたのである。
「てめっ…何時混ぜた?其れ…!」
「昨日の夕飯のときでさァ。1~3日後に効果が出る、とありやしたがこうも早く出るとは…。」
くっくっ、と笑いながら雪乃の手を押さえる。
「…くだ。」
「え?」
「切腹だっつってんだろ。今すぐ、此処で、死んで、詫びろ。」
雪乃は鬼のような形相で言った。
山崎は、心の隅で(副長だ、ちっちゃい副長が居る。)と思った。
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