第4章 お見合いパニック篇
「お見合いと困惑する男達。」~前編~
「え、雪乃がお見合い!?」
見回り中に沖田と土方が発した言葉はこの一言だった。
事の発端は今朝。松平のとっつぁんが雪乃を呼び出し、
「こいつと1週間後に会ってもらうから。俺もついていくからよ。」
と親指を立てながら写真を取り出したのが原因だった。
そして、其れを山崎、原田らが聞いていたのである。
そして、1番隊、2番隊…と触れ回り、ついには土方や沖田といった幹部達に知られてしまったのである。
そして、現在に至る。
「で、雪乃はどんな男とどこで会うんでぃ、山崎?」
沖田は、真っ黒い笑みを浮かべながら山崎に詰め寄る。
「ちょ、沖田隊長!!顔が怖いです!!!」
そして、其れに追い討ちをかけるように
「良いから言え。言わねぇなら…切腹だ。」
と土方が鬼のような形相で言った。そして、
「其のお見合い、ぶっ潰してやらぁ。」と、二人は血管が額に浮いている状態で言った。
山崎は言わざるを得なかった…。
1週間後。~土方視点~
『え、えっと、雪乃さんは、ホテル舞姫の最上階でこの男と会うそうです。』
3日前に山崎が場所と男の情報を入手して来た。
男は、いかにも優男、といった感じの奴だった。こんな奴を雪乃の婿にするなど、どうかしているのだろうか、とっつぁんは。
総悟と俺は其のホテルへと移動し、部屋を探る。
「土方さん、居やしたぜぃ。」
総悟が見つけたのか、部屋を指差す。
すると、其処には雪乃ととっつぁん、そして、例の優男が居た。
「どうしやす?このまま爆破しますかぃ?」
総悟がバズーカを構える。だが、俺は其れを手で制し、命令する。
「いや、もう少し泳がせる。だが、一つでも不審な動きがあれば…殺れ。」
「了解でさァ。」
こうして、ターゲットの見張りが始まった。