第3章 真選組慰安旅行篇
⑩ ~怪談大会~
「では、話しますね。」
「雪乃、大丈夫か?」
土方が、雪乃に少し心配そうに話しかける。
「大丈夫です、其れに…ご飯のときの恨みを返すので!!」
((((あ、亦根に持ってたんだ…でもツンデレの雪乃/さん、可愛かったな…))))
「じゃぁ、話します。」
とある男が1人暮らしのため、平屋に引っ越した。
引っ越した夜、ふと窓の外に気配を感じて覗いてみた。
だが、誰も居ない。
しかし、此処で気づく。
此処は2階で、人の気配なんて感じる訳無いのだ。
その後、亦気配がし、そして窓がノックされた。
勇気を出してみてみると…
-其処には、青白い髪のぼさぼさな女がいた。
怖くなり男は、布団へともぐりこんだ。
しかし其の女は窓をすり抜けて、自分の上に乗ってくる。
そして、男の上から呪詛のようにぶつぶつと何かを呟く。
聞いてみると、それは言葉に出来ないほど悲惨な怨念の塊だった。
男は必死に
「南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏…」
と経を唱えた。
暫くすると、ふっ、と体の重みがなくなった。
「いなくなった…!」
と思い、布団を捲ると、其処には女がまだいた。
そして、蔑むような表情で、
「ソンナコトイッテモ、ムダダヨ…?」
と言ったのであった…。
「という話でした…あれ、どうしたんですか皆さん。」
雪乃が話し終えたとき、他の4人は部屋の隅へと散っていた。
「怖ぇんだよ、最後の!!何、あれ!!豹変しちゃってるから!」
銀時が必至の思いで言葉を一気に発する。
それで、雪乃は、
「す、すみません!!でも、やっぱりやりすぎですよね…」
と反省したように言った。