第7章 初めてのお味は…
おいおいおいおい何なんだこの状況は…
自分の横ですでに寝息を立てているエルヴィン、
モブリットに押さえつけられながらもまだ酒瓶を振り回しているハンジ。
そして目の前には猫のようにミケの首元に擦り寄ってる泥酔のエマと、苦笑いのミケ。
リヴァイは盛大なため息をつくと立ち上がり、目の前の猫のような女に素早く歩み寄った。
「おい!お前はもうダメだ。こっちへ来い!」
「んぁ!じんるいさいきょうののおでましだぁー★」
エマはミケから離れると、語尾に変なマークを付けながら今度はリヴァイに近寄るつもりなのか立ち上がろうとする。
が、
ドサッ
「っぶねぇな…」
ソファの脚に引っ掛かって転びそうになったエマを、リヴァイは既のところで受け止めた。
「あはは!ごめんね、リヴァイしゃん?」
「どれだけ酔っ払ってんだよ…」
「あぁ〜ぐわんぐわんしゅる…」
エマは力なくそう呟くと、完全にリヴァイへと全体重をかけてしまった。
「はぁ…こいつはもうダメだ。悪いがこのまま休ませる。」
リヴァイは寄りかかるエマの腕を自分の肩に回すと、ミケに言った。
「あ、あぁ…それがいい。エルヴィンとハンジもあんな状態じゃあこれ以上は無理だな。俺はエルヴィンを連れていこう。」
さっきはエマの豹変ぶりに動揺していたミケも、なんとか冷静さを取り戻そうとしていた。
「えええーーー!!みんな、もう帰っちゃうの?!」
「うるせぇクソメガネ。だいたいお前が………はぁ…もういい。モブリット、こいつのことは頼んだぞ。」
「はっはい!了解しました!」
モブリットはミケとリヴァイに申し訳ありませんでしたと何度も頭を下げていたが、2人はそんな彼の立場が不憫に思えてならなくて、逆に同情してしまいそうになるのであった。