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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第36章 A ray of light




今度リヴァイは、上空から地面にアンカーを打ち込み急降下した。

そして地面と接触するギリギリで7m級の巨人の足元へ滑り込み両足の腱を断つと、ドスンと両膝をついて倒れる体を避けながら再び宙へ舞い、一気にうなじへ斬りかかった。


「—?!」

しかし二体を倒したのも束の間、新たな気配を察知したリヴァイは忌々しそうに眉根を寄せる。

「ッ!!」

倒れた巨人から放たれる蒸気の中から、巨大な掌がぬっと飛び出してきたのだ。
リヴァイは体勢を立て直しながら器用にその腕を切り落とした。蒸気に紛れて残りの二体が目前まで迫っていたのだ。

ちょうどそこへ、巨人を始末し終えたオルオとペトラが現れた。


「こいつを倒したらもう一体もすぐ殺る!お前らはそれまで距離を保ちながら残りの一体の注意を引け!」

「しかし兵長!」
「兵長の指示よ!従いなさい!」

オルオは三体目までも一人で相手しようとするリヴァイに加勢したそうだったがペトラに止められ、注意を引くため残りの巨人へ向かう。

そんなオルオの心配をよそに、リヴァイはしなやかな立体機動と鮮やかなブレードさばきで、片腕を失った巨人を削いだ。
人類最強と言われる所以はやはりこの圧倒的な実力にある。

しかし直後ペトラの動揺した声が聞こえ、何事かとそちらを見やるとリヴァイは目を疑った。


「なんで無視するのよ!」

誘導していたはずの巨人が、ペトラ達の方は全く見向きもせず真っ直ぐ村の中へ入っていってしまったのだ。

リヴァイは即座に追いかけた。


奇行種…?!

いや、こいつもさっきまでは確かに俺たちを追っていたしそんなわけはない。奇行種ならハナから、はっきり目的を持ったような行動はしなはずだ。

それよりこっちの方角は……


飛びながら瞬く間に嫌な予感が膨らみ、同時に焦りも増す。


まさかエマを見つけて狙いを変えたのか?
中にいろと言ったが外へ出ていて…

いいや、あいつは好奇心旺盛だが、こんな時にまでそれを発揮するほど無鉄砲なやつではない。言いつけは守っているはずだ。

だが、この巨人の向かっている先には間違いなくエマがいる。


リヴァイはガスをさらに吹かし速度を上げた。
巨人の狙いがエマでなかったとしても、このままでは見つかってしまうのは時間の問題だ。

一刻も早く仕留めなければ——



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