第5章 調査兵団の実力
森の入口に着くと何人か兵士の姿があった。
ここでの訓練は各班が時間を区切って行っているそうで、今は最初に訓練を行う班から3つ目の班までの兵士が集まっていた。
「分隊長を呼んでくるから、エマはこの辺りで待っていてくれ。」
「はい!分かりました!」
エマは兵士たちとは少し離れた所に案内された。
そこから遠くの集団を眺めていると、その中にリヴァイの姿を見つけ、一瞬トクンと胸が鳴った。
リヴァイは自身の班員を集めて何か言葉を掛けているようだが、ここからではその声は聞き取れない。
“一通常、調査兵団の分隊や班の構成は幹部会議で決めるんだけど、リヴァイ率いる特別作戦班だけは彼が自ら兵士を引き抜いている。
つまり、人類最強の兵士長が選んだ精鋭が集まってるっていうわけ。”
あれがハンジさんが言っていた特別作戦班、通称リヴァイ班。
自分と同じくらいの歳の女の子もいる。
あんなに若くして精鋭中の精鋭なんだよね…すごい。
ハンジの話を思い出しながら実際にリヴァイ班の精鋭達の姿を目の当たりにして、羨望の眼差しを送る。
「やぁエマ!」
「わっ!」
真剣に兵士たちを眺めていると、ハンジに後ろからガシッと肩を掴まれ、ビックリして声が出てしまった。
「そろそろ始まるよ。私の番はまだ後だから、今ここにいる3班の様子を一緒に見学しようか。」
「はい!よろしくお願いします!あ、モブリットさんは訓練に参加されるんですか?」
「彼は今日は記録係。個々の兵士の動きや班の連携具合をチェックして、今後の壁外調査に生かせるようなデータを収集するんだ。」
「なるほど…!」
「テンション上がってきた、って顔になってるね!じゃあ我々は先に森の中に行って待機していようか。」
「了解です!」
エマはハンジの後ろをちょこちょこと小走りでついて行く。
その様子をリヴァイは、兵士の間から垣間見ていた。