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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第28章 長い夜 ※



一一一一一一一一一一

「「乾杯!」」

ガヤガヤと賑やかな部屋の中に、カチンとジョッキがぶつかる音が響き渡る。


「いやぁ、やっと来れたな。」

「そうだな。何だかんだ飲みに行こうと約束して1ヶ月余り経ってるしな。」

「エマ!今日はこの三人の奢りだから何でも好きなの頼んでね!」

「い、いいんですか?」

「馬鹿言え。歳下の女に飲み代くらい払えねぇでいい男が務まるかよ。」

「オルオ、さり気なく自分のことを“いい男”だとか言わないでくれる?」

「なんだ嫉妬かペトラ。安心しろ、お前の前でもいつも俺はいいおとぐがぁっ!」

「ちょっと!汚ったないわね!」



あれから三日後の晩。
エマはリヴァイ班と、兵舎からほど近い街の店に飲みにやって来ていた。


大事なところで盛大に舌を噛み、飲みかけた酒をぶちまけてペトラに激しく叱られているのはオルオだ。

「大丈夫ですか?!オルオさん!」

エマはバッグから素早くハンカチを取り出し、向かいのオルオが座るテーブルの上を拭いた。


「エマごめんね、ありがとう。
ちょっと!オルオのせいでエマのハンカチ汚れちゃったじゃない!謝んなさいよ!」

「すまねぇな…エマ。」

再びペトラの激昴が飛び小さくなって謝るオルオだが、

「いえ!服に溢れなくてよかったですね。」

と笑顔を向けるエマを見て、心の中で“女神かよ…”と呟くのだった。


「エマ、今日は気にせずパーッとやろうな。」

「はい!ありがとうございます!」

ニカッと笑ってゴクリと喉を鳴らすエルドを見て、エマは人生二度目の酒に口を付けた。




**




「明日、エルド達と飲みに行きたいと?」

「はい…」


エルド達に急なんだがと誘われた酒の席。
前回泥酔した前科があるし突っぱねられると思ったが、リヴァイから返ってきたのは意外な返事だった。


「行ってきたらいい。酒も飲んでも別に構わん。」

「え?いいんですか?!」

「アイツらとならいいだろう。ペトラもいるしな。あいつならハンジと違ってああいう場でもしっかりしてるから安心だ。」

「あ…ありがとうございます!」

まさかすぐにOKが出るとは思わなかった。
リヴァイは嫌な顔ひとつせずに飲み会を承諾してくれたのだ。

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