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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第28章 長い夜 ※




それからさらに1時間、途中でエマが淹れた紅茶を飲みながら話は続いた。


エマはハンジたちが興味を持ってあの5日間の出来事を聞いてくれたのが単純に嬉しかった。
しかし調子に乗って色々と話すうちににどんどん深いところまで進み、とうとう温泉旅行に行き混浴風呂に入ったというところまで話してしまっていた。

そこまでいくともう大変だ。
ミケは二人が恋仲なのは知っていたし、モブリットもやはり気付いていたようで、ハンジと共にニヤニヤしながらへ根掘り葉掘り聞き出そうとエマへ質問の嵐。

そうなるとエマは目を潤ませ顔を真っ赤にして、タジタジで一人慌てふためくしかない。

そんな様子を見かねたリヴァイが、三人に向け鋭い眼光を放ち一瞬黙らせたところで、エルヴィンの冷静な声が飛んできた。



「で、どうやってエマの世界に行けたのかは分かったのか?」

「はっ!そうだよそう!どうやって行ったの?!やっぱりシーナの井戸?!」

重要なことを聞き忘れていた!とズレた眼鏡をかけ直してハンジも向き直る。


「それが、シーナの井戸ではないんです。兵舎裏の花壇の近くにある、古びた井戸に落ちて…」

「え?!えぇぇぇ!!嘘?まさかここにあるの?!どこ!?エマ、案内して!」

「分隊長!一先ず落ち着いてください!」

「驚いたな…ここにも異世界へ繋がる扉があったというわけか。」

騒ぐハンジを無視しながら、エルヴィンは興味深そうに目を見開いた。


「ねぇエルヴィン!試しに行ってみようよ私達も!」

「やめとけ。俺たちは運良く行って帰って来れたが、次が成功するかどうかは未知数だ。そもそもエマの世界にすら行きつくことができない可能性だってある。」

「そうですよ分隊長!もし戻って来れなくなったらどうするんです!?」

「ハンジ。君の知的探究心には私も一目を置いているが、その能力を発揮する場所をはき違えてもらっては困る。
エマの話がとても興味深いことには変わりないが、自分の役割を見失わないでくれ。」

「…あはは、そこまで言われなくても分かってるよーさすがに。」


リヴァイ、モブリット、エルヴィンの冷静な抑止を受け、ハンジは振りかざしていた拳をぶらりと下ろしてつまらなさそうに肩を落とした。

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