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【進撃の巨人】時をかける—【リヴァイ】

第28章 長い夜 ※




「さすがエマ!頭カッチカチなリヴァイよりよっぽど話が早いよ!」

「てめぇは事あるごとに俺に削がれたくなるみてぇだな。」

「だっだめですリヴァイさん!」

「分隊長!やっぱりここに!」


ハンジを睨み殺しそうな勢いのリヴァイの腕にエマが掴みかかったのと同時に、廊下から息を切らしてきたのはモブリットだ。


「あなたって人はどうしてそう生き急ぐのですか…」

「あんなこと聞いちゃ、いてもたってもいられないでしょ!それに無理矢理押し入ったわけじゃないよ?ちゃーんとノックもしたし!」

「ドアぶち破りそうな勢いだっただろ…アレのどこがノックだっていうんだよ。」

「リヴァイ兵長…ご迷惑をおかけして申し訳ありません…」

まったく悪びれる様子もないハンジに変わって、今来たばかりのモブリットが必死で頭を下げている。


「このマジキチ野郎には今度から頑丈な首輪でも繋いでおけ。」

「すみません!よく言っておきますので…」


リヴァイの部屋にエマがいたことと彼が纏う殺気立った空気に、モブリットはやらかしてしまったと青ざめ冷や汗を流している。

それを見ているとこの副官に思わず同情してしまい、リヴァイの怒りのボルテージは一先ず落ち着いた。


「はぁ…もういい。で、何の用だ。」

「率直に言う!二人がエマの世界に行った話を聞かせて欲しい!」

ズイッと出てきたハンジに、リヴァイはまた盛大な舌打ちが出る。


「さっきエルヴィンから聞いたよ!それで君たちから今すぐ詳細を聞きたくてお邪魔させてもらったってワケ!もう、何で今まで黙ってたのさー!」

「必死に止めたんですが振りほどかれてしまって…すみません」


リヴァイにはハンジがモブリットの制止を振り切って飛び出す光景が容易に想像できた。

そんな話は後でも十分だという意見はたぶん通じないだろう。
コイツの知識欲は異常だ。ここで粘ったところで、俺たちがイエスと言うまでここを退かないだろう。クソ面倒くせぇ…


「そういうことならぜひお話しましょうよ、兵長!」

未だイライラを拭いきれないリヴァイに眩しい笑顔が向けられる。
エマはエマでどこか楽しげだ。

まったくどいつもこいつも…

「はぁ…わかった」

リヴァイは深くため息をついて、しぶしぶ了承するのだった。

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